全米ネットワークのテレビ局が、バットマン・シリーズ完結編「ザ・ダークナイト・ライズス」のTVスポットのCM放送を自粛し、暴力的な描写を含む映画の放送を、他の作品に差し替えるなど、無差別殺人のバットマン・シューティングの深い悲しみに全米が包まれるなか、クリス・ノーラン監督が事件について、関係者を代表し、公式の声明を発表してくれたので、お伝えしておきます。なお、先にアップした、「ザ・ダークナイト・ライズス」がミッドナイト興業で、「アベンジャーズ」に勝利！！の記事の中で、この週末のオープニング興業の結果を、週明けの全米映画ボックスオフィスBEST10でレポートするとお伝えしましたが、ワーナー・ブラザースがこの事態におよんで、どれだけ儲かったかの金勘定の話題は不謹慎…といった考え方の方針を示し、「ザ・ダークナイト・ライズス」の興行成績を発表しないかもしれないので、同社の意を汲んで、興業の結果は報告できないかもしれません…。

「ザ・ダークナイト・ライズス」のスタッフ・出演者を代表して、理解しがたい悲劇に見舞われた地元オーロラの方々に、深い悲しみの気持ちを伝えさせていただきます。
私は…、昨夜、映画館で映画をご覧になっていた…ということ以外に、事件の被害者の皆さんについて存じ上げてはいませんが、私は映画はアメリカが培った偉大な芸術のひとつだと信じています。
スクリーンを通して語られる物語を共有するのは、大切にして、かけがえなく楽しい時間の過ごし方です。私にとって映画館は、わが家も同然なんです。ですから、何者かが、その無垢で、希望にあふれた場所を、あまりにも信じがたい無慈悲な手段で踏みにじろうしたことに、私は激しく打ちのめされてしまいました…。凄惨な犯罪の被害に遭われてしまった罪のない方々に向けて、私たちの感情を適切に言い表せる言葉を、誰も持ち合わせてはいません…。しかし、私たちの思いは被害者の方々と、その家族のみなさんと、常にひとつです…。

…とのことで、クリス監督はつまり、ぼくの家に遊びに来てくれた人たちが不幸な目に遭い、ぼくは耐えられない…といった、親密な情にもとづいた悲しみを、ていねいに言葉を選んで伝えてくれたと思います。クリス監督の言うように、バットマン・シューティングをどう受けとめていいのか、理解ができないし、被害者と関係者の方に捧げるべき言葉も見つからず、ただ絶句するしかないような気持ちになります…。でも、この事件をきっかけに、「ザ・ダークナイト・ライズス」を観に行くのは怖い…なんて思うのではなく、むしろ反対に、待ちに待ったバットマン伝説の終わり知ることなく、映画館で亡くなってしまった人たちの代わりに、映画を最後まで観届けてあげることが、ひとつの供養ではないか…と、ぼくはひとりの映画ファンとして思わざるを得ません…。

Speaking on behalf of the cast and crew of The Dark Knight Rises, I would like to express our profound sorrow at the senseless tragedy that has befallen the entire Aurora community. I would not presume to know anything about the victims of the shooting but that they were there last night to watch a movie. I believe movies are one of the great American art forms and the shared experience of watching a story unfold on screen is an important and joyful pastime. The movie theatre is my home, and the idea that someone would violate that innocent and hopeful place in such an unbearably savage way is devastating to me. Nothing any of us can say could ever adequately express our feelings for the innocent victims of this appalling crime, but our thoughts are with them and their families.

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